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                         覚悟の失業 11.

 約束は3時のはずだ。信じられなくてじっと見つめた。清水は気付かずまっすぐ前を向いて歩いている。

 どうしよう。声を掛けるべきかどうするか。咄嗟に判断が付かない。ベンチの横の柱に身を隠してしまった。

 広場は見通しが良い。池田は悪いことでもしたかのように柱の陰に身を縮めるようにして身を隠している。

 1,2分しか経たないが長く感じて覗いて見た。いない。どこにもいない。

 清水は広場を確認すると1階の一番端のカフェに入った。ワカバウォークに来ると必ず寄るところだ。

 実は池田が身を隠す柱の横を通って行ったのだ。約束に3時間前である。池田が居ようとは夢にも思わない。

 カフェラテを手に窓際に座った。池田に紹介された渡辺淳一の短編集をバックから出した。

 6篇収録されていて残り2編だ。それを読み始めた。ページが少しも進まない。なぜかそわそわする。

 窓の外を見る。池田の笑い顔が浮かぶ。何だか楽しい人ね。お付き合い出来ると良いわねとふと思った。

 池田はしばらくそのまま、ベンチにも座りもせず辺りを見回していた。どこへ行ったのだろう?

 続きは明後日20日月曜日朝10時に掲載します。以上の予定でしたが、

ホームページ会社[ビスタプリント]に、当方に連絡なしに勝手にホームページを変更されて困っております。今、交渉中です。

読者の皆様には大変ご迷惑をお掛け致しておりますが、今暫くお待ち下さいますようにお願い申し上げます。

 諦めてカフェに行くことにした。ここに来れば必ず寄るのがこの先にあるカフェである。カウンターで珈琲を注文してその間に辺りを見回した。窓際を見て驚いた。清水が本を読んでいる。

 池田は心がぱあーっと温かくなった。嬉しくなって、心がどきどきとときめいた。それでも落ち着いた風に歩き、珈琲を手にその前に立った。にっこり笑いながら、

「こちらの席、よろしいですか?」

 清水が顔を上げた。「あら!」とびっくりして「どうぞ、お座り下さい」

「偶然ですね。清水さんに会えるとは思ってもみませんでした。嬉しいですね」

「私、ここに良く来るものですから、少し早めですけど出てきました」

「僕もそうなんですよ。ここで珈琲を飲もうと思って出てきました」

 約束の時間にはまだ3時間近くある。少し早めの時間ではない。

「何をお読みだったのですか?」

「この前紹介して頂いた渡辺淳一の短編です。面白いですね」

「やはり、医療の関係者が見ると違うのでしょうね」

「違うって何がかしら……」

「僕なんかだと医療のことは全くわからないから、見落としとか良く理解できていないことがあるのではないかと思っています」

「いいえ、同じだと思います。渡辺淳一の心理描写が怖い程です。乳房切断は、今も心に澱として残っています」

「心理描写ですか?確かにそうです。内容は医療現場に居合わせるような描写です。その心理状態は関係者だけのものではないですね」

「そうだと思います。後2編で読み終わります。これからこのシリーズを読もうと思っています。良い本を紹介して頂いてありがとうございました」

「いいえ、どういたしまして。それよりお昼済みました?良かったら食べに行きませんか?」

「そうですね。私もまだです。行きましょうか?」

「はい、まだどこに行くか決めてないのですが、周りながら決めましょうか?」

「良いですね。そうしましょう」

 話は簡単に決まった。カフェを出て並んで歩き始めた。池田は嬉しさに溢れていた。

                        つづく

続き12回は10月1日金曜日朝10時に掲載します